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槍ヶ岳へ行きました。2日目

2日目は、ババ平のキャンプ場を6時少し前に出発しました。東鎌尾根までよく見えているのですが、上空はすっきりと晴れてはいません。槍ヶ岳直下の殺生ヒュッテキャンプ場までテントを持ち上げ、そこへテントを張って、水筒など必要最小限の荷物で山頂を目指す予定です。


ババ平を出発して、25分ぐらいで大曲へ到着しました。ここで槍沢は大きく左へカーブしていきます。大曲の分岐点からは東鎌尾根へ上がる道が分かれます。槍ヶ岳は写真の右奥になるようで、ここからは見えません。

雪渓が残っていました。冬から春先にかけて起きた雪崩がここへたまり、雪渓を作っているようです。


このあたりから、秋の高山植物がよく見られるようになります。リンドウ、そしてチングルマです。

ずいぶんと登ってきました。天狗原分岐と呼ばれるところです。7時25分頃です。キャンプ場から1時間半弱です。ここまできたら、槍ヶ岳は見えても良さそうです。下界側はよく見えているのに、槍ヶ岳山頂側は雲の中です。

雲の中のとんがり三角は槍ヶ岳のように見えますが、おそらく違うと思います。

天狗原分岐のあたりで、槍ヶ岳から降りてくる方々がたくさんいました。

旅行会社のツアーと思われる団体の方々が多いようです。ツアーの団体は比較的高齢の方もいらっしゃいます。

少し前は、山では中高年の方々(私もその一人ですが)と出会うことが多かったのですが、最近は若い方も増えたようです。

若い女の方が多い気がしますが、おそらく女性にばかり目がいっているからでしょう。実際には若い方は男女同じくらいの人数割合ではないでしょうか。

この雲の向こうに槍ヶ岳が聳えているはずなのです。

坊主の岩小屋と呼ばれるところまできました。9時頃です。キャンプ場から3時間ほどかかっています。

この岩小屋は槍ヶ岳の開祖、播隆上人がこもったという岩屋です。

中は雨露をしのげそうです。

9時45分頃殺生ヒュッテに到着しました。ババ平キャンプ場から3時間45分になります。

受付で、テント宿泊の手続きをして、テント場へ行き、テントを張りました。他には誰もテントを張っていません。

ザックに付随しているサブザックを取り出し、中に水筒とスケッチブック、携行食料、マップを入れ、雨具を着て10時20分頃出発しました。

ヘルメットをヒュッテで借りました。テント宿泊の人はヘルメット賃貸料が500円とのことです。

最初は、槍沢を詰める予定でしたが、東鎌尾根に上がることにしました。

 


東鎌尾根が急峻なのは知っていました。安全なのは槍沢をひたすら肩の小屋(槍ヶ岳山荘)まで詰めるルートでしょう。東鎌尾根は、歩むごとに槍ヶ岳が近づいてくるルートであることを事前に調べて知っていました。雲に覆われていますが、もしかしたら、雲の中にぼんやりと浮かぶ槍ヶ岳が見えるかと思ったのです。

東鎌尾根は細い尾根筋のルートで、途中に梯子もあります。危険な箇所は、大槍をトラバースするところではないかと思います。左下はかなり切れ落ちています。よろけたり、石ぐるまに乗ってしまったりしないように気をつける必要があります。

大槍をトラバースし、槍の肩に着きました。11時12分頃です。写真の正面の雲の中が大槍です。

どうしようか一瞬迷いましたが、ちょうど槍の山頂から降りてきた人がいたので、行って見ることにしました。

岩は、まだあまり濡れていません。しかし、鉄の梯子は濡れて滑りやすくなっています。

 


11時48分槍ヶ岳の山頂に到着しました。

山頂には誰もいません。私の貸切状態です。しかし、何も見えません。見えるのは、登ってきた鉄の梯子と奥の祠だけです。雲の中に山頂部分だけ浮いた感じです。祠の向こうは北鎌尾根です。とても覗き込む勇気はありませんでした。しばらくすると一人男性が上がってきました。頼まれてスマホのシャターを押しました。私は自撮りです。

山頂まで約35分。山頂はほぼ独占状態。

昨日だったら、晴れて山頂からの景色は雄大だったことでしょう。しかし、すれ違った人から聞いた話では、昨日は山頂へ登るのに2時間かかったとのことでした。

来るときにすれ違った団体の皆さんが、みんな山頂を目指したのだとすれば、それもわかるような気がします。


その男性が先に降りて行きました。槍ヶ岳で高度感のあるのは、この鉄の梯子でしょう。登り用と降り用の2つの梯子がかかっています。

槍ヶ岳からテント場までは、東鎌尾根ではなく、槍沢ルートを下りました。こちらは危険箇所はありません。

テント場に戻ってきたのは1時を少し過ぎていました。

霧雨のような状態です。

とりあえず、お湯を沸かしてカップ麺を食べました。そして、その間考えました。

天気予報では、明日は雨です。それが、もう霧雨状態でした。このまま天気が良くなる見込みはありません。そうであれば、少しでも下に降りていた方が良いのではないかと考えました。

昼食を食べ終わって2時少し前。決断しました。テント撤収です。料金は払ってしまっていましたが、そんなことよりも明日、雨の中降る時間を減らそうと思いました。

速攻でテントを片付け、2時8分には下山を開始しました。


天狗原分岐辺りまで降りて来ると、下界の方はまだ晴れ間があります。雲がダイナミックに動いていて、絵を描きたく思いました。しかし、ここで3時半頃です。テント場はあのカーブのさらに先です。先を急ぎました。テント場についたのは、4時42分でした。早速、昨日と同じ場所にテントを張りました。

すぐに夕食を作り、食べてテントに入ったら雨が降ってきました。

夜中は雨に加えて風も出てきました。

2年前に買ったICIのゴアテックステントは多少の風雨でも雨漏りはしません。しかし、夜中に、床に手を触れると水が浸みているのがわかりました。坂を下ったところにテントを張ったので、坂を流れる雨水が川のようにテントに来ていたようです。幸いエアマットの上までは濡れていませんから、その上のシュラフなども大丈夫でした。とにかく朝まで我慢するしかありません。

                                3日目に続く