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柳沢峠から丸川峠

 1年半前の秋に、大菩薩峠から丸川峠まで歩き、丸川荘に泊まって裂石へ降るルートを歩きました。丸川荘は昔ながらのランプの小屋です。その時のことは、このホームページの「丸川荘に泊まる」に記載してあります。

 また、丸川荘に泊まりたいと思っていたのですが、柳沢峠からの道は静かな山歩きができて良いという話を聞いていたので、そのルートを歩くことにしました。水彩の道具も持ち、絵を何枚も描いてくるつもりでもいました。


柳沢峠には、朝の8時前に着きました。駐車場には10数台車が停まっていました。しかし、広い駐車場なので、まだ停めるスペースはあります。登り口を7:45に出発しました。


梅の木尾根分岐には8:16に着きました。ここまでは道は登り道です。ブナの道の周遊コースがあります。六本木峠には8:36に着きました。道をまっすぐ行けば、大菩薩嶺の方へ向かい、丸川峠に行けます。私は、ここから左へ曲がり、黒川山と鶏冠山に立ち寄ることにしました。


黒川山への道は、起伏のある尾根上を通らず、横を巻いてやや下り気味に続いて行きます。そして15分ほど歩くと突然林道へ出ます。林道からまた山道へ入りますが、横手山峠までは、車も通れそうな道です。


横手山峠には9:05に着きました。金山跡に向かう道と落合の方へ降りる道が分かれています。ここからは細い山道になります。黒川山直下に着いたのが9:33です。先に展望台の方へ寄ることにしました。


分岐点から展望台へ上る道の途中を右にちょっと上ると黒川山の山頂です。展望台へは、左へ尾根上を5分ほど歩いたところにあります。尾根筋の傍に岩の高まりがあり、そこが展望台になっています。岩の上からは、北側の奥秩父主脈がよく眺められました。1時間ほどそこで水彩を描きました。展望台を出たのは10:48です。


鶏冠山は、黒川山下の分岐まで戻り、そこから鶏冠神社方面と書かれた方へ向かいます。

鶏冠山への道は、岩の露出した少し険しい道です。黒川山からは少し降っていく感じです。途中ピークを登り、そこが山頂かなと思ったのですが、祠が無いので、違うと気づきました。さらに険しい道を降り、小さなピークを回り込むようにするとそこが鶏冠山の山頂でした。ここからは大菩薩嶺の眺めが良いです。先ほどの展望台からも大菩薩嶺は見えましたが、ここは遮るものがありません。すぐ断崖になっているのです。


鶏冠山に着いたのが11:14で、出発が11:52ですから、40分ほど絵を描いていたことになります。


鶏冠山、黒川山から六本木峠へ戻ってきたのが12:52です。4時間ほどの寄り道です。そのうち絵を描いていた時間が1時間40分ほどありますから、普通は2時間半ほどの寄り道で行けるのでしょう。六本木峠から丸川峠までの道は、あまり大きな登り下りのない道です。しかし、距離はあります。途中、苔の美しい場所が2箇所あります。一つは六本木峠から30分ほど行った所、もう1箇所は丸川峠のすぐ近くです。苔の写真は最後にまとめて紹介します。



丸川峠の丸川荘には14:30に着きました。夕食付きで頼んでいました。夕食は5時半です。それまでの間に丸川荘を外からスケッチしました。泊り客は、私を入れて5人です。3人組のグループは、自炊の準備をしていました。お米を炊いて、野菜や肉を炒め、どうやらすき焼きのようです。丸川荘の只木さんが作ってくれた夕食は、炊き込みご飯と、お麩の味噌汁、トマトと卵の料理、ピクルス、味噌仕立てのシャケをホイル焼きしたものです。こんなに手の込んだ山小屋の料理はなかなかありません。

丸川荘は、発電機も置かない、ランプの山小屋です。只木さんは、小屋で暇なときは木彫りをされています。桜で作られたカップが木目も美しかったので、買い求めました。4500円です。手入れの仕方を丁寧に教えてもらいました。今度来る時に、このカップを持ってくれば、コーヒー1杯無料だそうです。


朝、4時半に起きると、峠の向こうに富士山が見えていました。水彩を1枚描きました。

丸川荘を出発したのは6:07です。小屋からすぐのところは苔が美しいので、しばらく写真を撮っていました。最近は、スマホで綺麗な写真が撮れますから重い一眼レフは持ち歩かなかったのですが、今回は、マイクロレンズまで持ってきていました。

朝日を浴びた木々が美しく、鳥のさえずりも聞こえていて、気持ちの良い山歩きです。登山者が少ない道なので、獣の足跡も登山道で見かけました。まだ新しい足跡です。鹿のようだと思っていたら、突然、上の方で大きな足音が聞こえてきて、びっくりして見上げると大きな鹿が登山道のすぐ上を勢いよく走って横切って行くところでした。カメラを出してシャッターを押したのですが、間に合わなかったようで写っていませんでした。

六本木峠7:35。柳沢峠には8:13に着きました。昨日以上に良い天気です。もっと山の中を楽しんでくれば良いところですが、この日は、国分寺で、「てのわ市」というクラフトのイベントがあり、行ってみたかったので早く山を降りてきてしまいました。しかし、早朝の美しい山道を堪能できました。丸川峠から柳沢峠の道は静かな山歩きができてとても良い道だと思いました。