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奥多摩を描く

 日帰りで山の絵を描きたいと考えました。以前描いたことがある奥多摩周遊道路の月夜見第一駐車場は、石尾根の眺めが良かったので、そこへ行くことにしました。念のため、登山靴と分厚い靴下も車に入れました。


家を朝の4時に出たので、奥多摩湖には5時半ごろに着いてしまいました。奥多摩周遊道路は朝は8時からしか開きません。奥多摩湖畔で水彩を1枚描きました。

 少し早めに周遊道路のゲートに行きましたが、やはり開いていません。しばらく待っていると、係りの人が出てきましたが、ゲートの脇で待機し、8時にゲートを開けてくれました。

 奥多摩周遊道路は、私が学生の頃に工事が始まりました。その頃は、御前山から三頭山にかけての奥深い奥多摩の尾根が道路で分断されることには反対の思いが強かったです。ですから、この道路を通る時、少し後ろめたい気持ちがします。


 奥多摩湖側から周遊道路に入り、最初の駐車場が月夜見第一駐車場です。ここからの眺めは素晴らしく、特に雲取山へと続く石尾根の眺めが良いのです。おそらく、雲取山の山頂はここからは見えないのではないかと思います。今日は、雲が絡んでいます。雲は風で流れ、その雲の影が山肌に模様を作っていました。


月夜見第一駐車場で絵を描き終わったのは10時半でした。その先の月夜見第二駐車場は、御前山への尾根上の登山道が駐車場から続いていますが、駐車場自体は眺めはよくありません。結局、都民の森の駐車場まで降りてきてしまいました。まだ11時頃なので、これなら三頭山まで登ってしまおうと、登山靴に履き替えました。三頭大滝までは、ウッドチップが敷かれた緩やかで幅の広い遊歩道です。


三頭大滝からは沢沿いの登山道になります。日差しは暑いのですが、沢沿いの道は比較的涼しいです。しかし、登りですから、汗が出ます。下界では梅雨明けが宣言されたようです。

ムシカリ峠へ出ると、涼しい風がいっぱい吹いていました。ここで絵を描いても良いかなと思いました。しかしせっかくですから山頂を目指しました。


都民の森の駐車場から約1時間半で三頭山の西峰に着きました。随分と立派な標柱が立っていました。2年前に来た時にはなかったはずです。三頭山はその名の通り、三つの山頂があります。三つの中で一番低い西峰に立派な標柱があるのは何故なのでしょう。山頂としては一番広いからでしょうか。


東峰の少し先に展望台があります。ここからは大岳山がよく見えます。五日市の方へ伸びる馬頭刈尾根がよく見えていました。

東峰に緑が美しい大きな樺の木がありました。白樺なのでしょうか。

三頭山には、この他にブナの大木もあります。展望は、東峰の展望台から大岳山が見える他はあまりよくありません。

三頭山で絵を描くとすれば、樹木を描く方が良いのかもしれません。

下界に戻ってきたら、本当に暑いです。

ムシカリ峠の涼風は、エアコンの風よりもはるかに良かったです。

 この絵は、帰りがけにムシカリ峠でスケッチしたものですが、今朝、家で加筆しました。

 実は手前に邪魔な木があって、現場では位置を変えながら描きました。

 下り坂の途中に立ってのスケッチでしたから、描きづらく30分ほど描いて途中で切り上げてしまったのです。

 昨日のムシカリ峠の雰囲気を損なわないように意識して仕上げました。