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雨の高尾山

 雲が尾根に絡み、遠くの山が程よく霞む感じを期待して雨の中、高尾山へ行きました。山は雲に包まれて、山頂からは近くの尾根も全く見えませんでした。裏高尾縦走路の方へ行きましたが、状況は変わりませんでした。


 お客も少ないからでしょうか、土産物屋はシャッターが降りたままでした。しかし、ケーブルカーの座席はほぼ埋まる人が乗りました。聞こえてくる会話はからは日本語は全くありません。海外からの旅行客は、天気が悪くても計画通り行動しているのかもしれません。


 山頂からは周りの山は全く見えません。雨は降り止まず、山頂に来た人は東屋で休憩していました。私は、裏高尾縦走路の方へ向かいました。一丁平に東屋があり、今年雪が降った時にそこから見える高尾山を描いたことがあるので、まず、そこへ向かいました。

 城山の少し手前にある一丁平の東屋から縦走路の方を見ると、木立の霞み具合が良かったので、これを描くことにしました。水彩なので、雨が当たらない東屋で描けることも都合が良いのです。おかげでじっくりと時間をかけて描くことができました。以前、雨の中で傘をさしながら水彩を描いたこともありますが、そうした時はせいぜい20分が限度です。


 雲のからむ尾根筋の景色が見られる場所はないかと探しながら下りましたがありません。薬王院の山門まで来ました。行きにはよく見なかったのですが、山門の四天王は丁寧な作りで、なかなか良い彫刻でした。


 1号路を下って来ました。だいぶ下って来たところが巨木の並木になっていました。これはまた雨の降っていない時の画題にしようと思います。とうとう駅まできてしまい、ホームに上がって高尾山の方を見ると稲荷尾根が霞んで良い感じです。もう少しホームの端まで行きたいところでしたが、雨が降っており、ホームの屋根のあるところギリギリから描きました。色も濁ったままで未消化な絵になってしまいました。雲に霞む山なみの絵は、またいつかチャレンジしたいと思います。