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白駒池を眺める

 7月25日に北杜市のアイリッシュパブ BULL& BEARに豊田耕三さんのライブを聴きに行くのが八ヶ岳へ向かう目的でした。ライブは夕方からなので、それまでの間をどうしようかと考えました。

 下界は連続猛暑日です。八ヶ岳方面へ出かけるなら、少しでも早く涼しいところにいた方が良いと思いました。妻はあまり山歩きはできません。そこで白駒池に向かうことにしました。

 八ヶ岳へ向かう時には、中央道を普段使います。しかし、ネットで調べてみると中部横断道が八千穂高原までできていることがわかりました。八千穂高原からは国道299号線をそのまま麦草峠方面へ行けます。そこで、関越から上信越道経由で向かいました。

 白駒池入り口には大きな駐車場がありバスなども入りかなり車がありました。雨池へ行ったときには麦草峠付近に停めたことがあるので麦草峠へ向かうことにしました。

 麦草峠には小さな無料駐車場があります。以前来た時には満車だったので、峠付近の道路脇に砂利を敷き詰めた駐車スペースがあったのでそこへ停めました。今回、行って見たら、道路脇にはロープが張られ、道路脇には一切駐車できないようになっていました。

 しかし無料駐車場は、何と私の車1台だけ入るスペースが空いていたのです。


 駐車場脇から木道があり、それを進むと麦草ヒュッテの脇に出ます。ヒュッテの前を横切り、草原の中を登って行く道に入りました。この草原は、色々な高山植物が見られます。写真を撮って名前は後から調べました。薄い黄色の花はキバナノヤマオダマキで、薄紫の5枚の花びらはハクサンフウロです。細長く薄紫の花がたくさん付いているのはテガタチドリのようです。


 麦草峠から白駒池へ向かう山道は、途中「白駒の奥庭」という場所を通ります。シャクナゲが多く見られる開けた場所で、木道が続いています。多くの観光客は、駐車場から直接白駒池へ向かうからでしょう、この道はあまり人が通りません。気持ちの良い場所です。

 しばらく行くと大駐車場から上がってきた道に出ます。写真では人が写っていませんが、大勢の観光客が行き来をしています。苔観察のツアー団体と出会いました。都会もしばらく雨が降っていませんが、ここも雨が降っていないのかもしれません、苔が少し埃っぽい感じに見えました。


 スギゴケの上にあるのはサルオガセと呼ばれる地衣類です。通常は樹木の枝からぶら下がっています。ワザとらしくスギゴケの上にありますが、私が置いたのではありません。地衣類とコケ類は植物学的には違うようですが、日常使われる「苔」はどちらも指すようです。

 白駒池は一回りすることもできます。多くは木道になっています。

 以前、妻と来たときには白駒池を左からまわり、白駒湿原まで行きました。白駒湿原から山道を登って行くと「にゅう」と呼ばれる岩峰に出ることができます。

 今回は、右側から進みました。もうお昼時でしたので、お弁当をその辺で食べようと思ったのです。

 東屋があったのですが、先客がいました。湖畔の白駒荘前のテーブルは白駒荘で食事を頼んだ人専用のようでした。

 せっかくなので、高見石まで登りたいと私は思いました。高見石までは写真のように大きな石がゴロゴロとある急な道です。30分ぐらいだからと妻に話し、登ることにしました。


 湖畔から高見石小屋までは約35分で着きました。すぐにそのまま高見石まで上がりました。高見石は大きな岩が積み重なっているところです。一番上まで上がると白駒池が見えます。


 高見石の奥の方に座り心地の良さそうな場所を見つけ、お弁当を食べました。途中の横川のサービスエリアで購入した「高崎の鳥飯」です。私が中学生の頃高崎駅で食べた駅弁の鳥飯と同じもののようです。昼食後、私は岩の上で水彩スケッチをしました。妻は、人の顔に見える岩を見つけ写真を撮っていました。

 麦草峠からライブのある北杜市大泉町のBULL&BEARまでは1時間半ほどかかりました。ライブは18時半からなのですが、その前に行って食事もしたかったのです。アイリッシュパブなので、ギネスビールも飲みたかったので、宿泊はパブから歩いて数分の詩游館にしました。

 豊田耕三さんは芸大出身です。芸大にはケルト音楽研究部というサークルがありますが、豊田さんが作ったようです。このサークルのセッションを以前BULL&BAREで聴いたことがありました。その時、とても上手いフルート奏者がいるなあと思ったのですが、それが豊田さんだったのでしょう。

 この日は、豊田さんとツアーを組んでいる久保慧祐さんのギター、それに豊田さんの奥さんがボーカルで加わったセッションでした。

 1981年生まれですから、まだ37歳です。これからますます活躍されることでしょう。ギターの久保さんは、このツアーの後、アイルランドへ留学されるとのことなので、このメンバーでのセッションはしばらく見られなくなります。

 26日(木)朝、詩游館を出発し、まずは天女山へ向かいました。途中、八ヶ岳の天然水を汲めるところがあるので、家から持ってきた容器に入れました。

 天女山は、期待に反し樹木が遮って展望が効きませんでした。そこで、まきば公園へ向かいました。前回、ここへ来た時には雲が多く、赤岳はついに顔を出さなかったのですが、今回は良く見えていました。

 木陰でスケッチをしている間、妻は牧場を散歩していたようです。

ここは標高が1400mほどあります。日差しは暑く感じますが、風は涼しく木陰に入ると爽やかで気持ちが良いです。ずっとここに居たかったですが、そうも行きません。

 帰りがけに、甲府で桃を買おうと思い高速を降りました。バスも入る観光農園をやめて、桃畑の中にある小さな店に立ち寄りました。さすが盆地の暑さだなと思いましたが、店のお姉さんの話ではこれでも昨日よりは涼しいとのことでした。

 今、クーラーをつけてこのブログを書いています。昨日や今朝の自然な涼しさが恋しくなります。