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荒船山

 荒船山は航空母艦のような台地が特徴の山です。この山については、若い頃から知っていましたが、まだ登っていなかったのです。

 台地の端は絶壁になっています。どうやって登るのだろうと思っていました。いくつかのルートがあることがわかりました。今回は荒船不動からのルートを選びました。


 高速を下仁田で降り、内山峠へ向けて国道を走ります。内山峠をトンネルで抜けてから左折する道を行くと荒船不動に着くということ事前に地図を見て頭に入れておき車を走らせました。

 トンネルを抜けるとすぐに鋭角に戻るように山へ入る道がありました。しかし、通り過ぎてしまいました。そのあとすぐ、もう1本左へ曲がる道が現れましたが、そのまま進んでしまいました。橋を渡り、道はどんどん佐久の方へ下っていきます。

 流石にこれは行き過ぎたと思いました。戻って、今度はトンネルからすぐの道を行ってみました。

「荒船山登山口」という表示もあります。しかし、道はトンネルの上の内山峠の方へ向かう感じです。これでは荒船不動へは行かないだろうと、途中で気がつき、引き返して、今度は橋のすぐ手前、ドライブインの目の前の道を行くことにしました。

 この道は下の沢の方へ降りて行きます。そして登り返してT字路になります。これを左折すると「荒船山登山口 荒船出世不動尊」と書かれた表示もありました。この道が正解でした。

 車のすれ違えない細い道です。5分ぐらい走ると広場に出ました。車が20台ぐらい駐車できそうです。


 途中の道は細かったのですが、荒船不動尊はなかなか大きな建物が建っていました。誰も住んでいない様子ですが、後ろに住居もあります。

 ここから道は沢沿いに星尾峠へ向かいます。

 先に車が1台ありましたから一人先行者がいるようですが、静かな山道です。


 荒船不動から星尾峠までは40分程でした。ここから台地の上に上がります。最初の登り口は道が崩れていてロープがありましたが、あとはそれほど急な道ではありません。台地の上に近づいた頃、木の階段もありましたが、だいぶ痛んでいて階段としては使いにくい状態です。

 台地の上まで、星尾峠から15分ほどかかりました。

 上がったところは、荒船山の最高地点・経塚山が右手にあり、左手の方へ進むと艫岩の絶壁に出るので、まずは艫岩に向かうことにしました。

 荒船山の台地の上は緩やかな起伏はありますが、明るく歩きやすい道です。天気も良く、とても良い気分で歩けました。


 途中、少し降って小さな水の流れを渡るところがあります。台地の上ですが、小さな川があるのです。

 やがて、行先に建物が見えてきました。トイレのある休憩所でした。しかし、だいぶ建物は痛んでおり、トイレは閉鎖されていました。

 このすぐ先に艫岩の絶壁があります。ここまで台地の上をゆっくりと30分ほどかけて歩きました。

 艫岩の絶壁からの眺めは良いです。浅間山は目の前に。遠く雪をいただいた北アルプスも見えていました。

 私はこの写真に写っている人のように絶壁に立つことはしませんでした。

 この場所は眺めは良いのですが、冷たい風があたり、とても寒かったです。浅間山もちょっと描くには遠い感じです。それでももう少し暖かければ、この場所で描いたでしょうが、寒さに負けてしまいました。

 写真を撮って、絵は描かず台地の上を引き返しました。


 途中で看板があることには気づいていたのですが、行きには立ち寄らなかった場所へ行ってみました。道から30mぐらい入ったところに石碑があるのです。よくまあこんな大きな石をどうやって運んだのだろう思う石碑です。

 荒船山の最高地点・経塚山が木立の向こうに見えています。たらたらとのんびり歩きから、急な登りになります。しかし、意外と時間はかからず10分で山頂へ出ました。

 経塚山の山頂は風も当たらず、暖かい日差しが気持ち良いです。ただ、眺めは木の間越しになります。ここでお昼のお弁当を食べました。

 台地の上では何組か登山者と会いましたが、山頂にいる間、誰も登ってきませんでした。

 この経塚山から先に立岩の方へ行けるようですが、車を荒船不動に置いてあるので、元来た道を戻りました。

 荒船不動のあたりの紅葉です。

 絵は国道を少し下仁田の方へ降ったところから、艫岩を見上げて描きました。

このあと、荒船の湯に立ち寄り、道の途中で、下仁田ネギを買って帰りました。80歳ぐらいの方がお一人で店番をしている小さな店です。今まで食べたことがないくらい太い下仁田ネギを販売していました。