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京塚山

 晴れた暖かい午後、山の先輩が「このような日に石砂山(いしざれやま)に行っていたらなあ」とメールで書いてきました。

 中央線藤野駅周辺の里山は夏は暑くて登れませんが、冬は陽だまりハイクができます。この辺りの里山は、杉や檜の植林ではなく雑木林です。ですから冬は葉が落ちて木漏れ日を浴びながら落ち葉を踏んで山歩きができるのです。

 それに石砂山あたりはヒルがいるのですが、それも冬は出てきません。

 そこで、石砂山へ行くことを考えました。しかし、石砂山へ登ってしまっては石砂山の絵を描くことはできません。

 以前京塚山から石砂山を描いたことがありました。

京塚山へ行くことにしました。

 

 調べて見ると、京塚山の登り口に大きな駐車場があることがわかりました。そこへ車を置いて登ることにしました。

 

 写真はクリックすると拡大します。

 濃い赤で記したルートが今回私が歩いたコースです。1時間ほどで回れます。


 この駐車場には公共トイレもあります。しかし、冬場は水道が凍結しているようです。水道管破損のため使用禁止という紙が近くに落ちていました。

 バス停がありますが、シュタイナー学園がお休みの日はバスはありません。藤野駅から歩けない距離ではありません。

 


 上のバス停の写真の奥に写っている上り坂を行くとこの階段の場所に出ます。バス停から3分ほどです。その階段を登ると分岐点に出ます。京塚山へ直接行くのなら、左へ行きます。しかし私はこの辺りでまだ行っていなかった古峯山へ行ってみたかったので、右へ行きました。


 途中、真新しい丸太で道を補修したところが何箇所もありました。こうして里山の遊歩道を大切に整備してくれているのはありがたいことです。

 古峯山までの道は、北面の巻道が意外と長いです。小さな木橋を渡って少し登ると巻道は終わりになり、古峯山までの登りになります。最初は写真のように緩やかな明るい尾根道です。


 古峰山の手前は少し急な登りになりますが、ほんのひと登りです。古峯山の山頂は明るく、目の前の京塚山が見えています。

 古峯山に限らずこの辺りの低山は祠があることが多いです。


 祠の横を通り抜けて行くと気持ちの良い尾根道です。少し登りくだりをして分岐点につきました。右からは名倉峠の方から来た道が合わさり、左下からは古峯山を通らずに駐車場方面から来た道が合流します。


 分岐点からまっすぐ登って行くと京塚山へ続く尾根に上がります。すると、それまで見えなかった丹沢や道志山塊が目の前に広がります。

 ここから京塚山への登りが始まります。登り切ると京塚山かと思うと違います。京塚山の手前のコブのようなものです。この辺りの低山は、小さな登りくだりが多いのです。


 道の右に鎖のついた柵がある登りは京塚山への登りです。これを登れば間違いな行く京塚山の山頂です。

 京塚山は別名石山と呼ばれています。それは山頂にこのような大きな石があるからでしょう。

 ラクダのコブのように見える山が京塚山から見た石砂山です。冬の午前中なので、まだ逆光でした。描こうと考えていたイメージと違いました。

 そこで、京塚山の祠とその向こうに見える大室山を描くことにしました。


 京塚山から東へ下って行くとすぐに右手に広いグランドが見えてきます。これが名倉グランドです。車で来た時はここも駐車場が使えます。その名倉グランドに沿って下って行くと、「緑のラブレター」と書いた標識があります。これに従って小さなピークへ向けて登り返します。


 「緑のラプレター」は山腹に設置されたアート作品です。向こう側から離れて見ると写真のように白い封筒に見えます。しかし、間近に見るとそれは想像できません。

 京塚山で30分ほどスケッチをしましたが、歩く時間は1時間ほどでしたので、駐車場には11時前に戻って来ました。もう一山登れるくらいの時間です。

 でも、私としては満足していたので、今日はこれで帰りました。

「緑のラブレター」の場所から向こう側を見ると鉄塔の連なる尾根があります。

この尾根道は、右から4つ目の鉄塔から奥の方に伸びており、鷹取山へと続きます。このコースも私の好きな道です。

 車で来たせいもありますが、家から山の中を経て自宅に戻るまで、途中、誰にも会いませんでした。静かな山歩きでした。