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棒ノ折山を登る

 棒ノ折山は、東京都と埼玉県の県境にある山です。夏は名栗川の支流の白谷沢沿いの道が涼しくて良いです。途中岩の迫ったゴルジュもあり、変化に富んだ道で面白いです。今回の百間茶屋からの道は15年以上前の冬に油絵の道具を背負って登って以来です。

 私が高校生の頃、棒ノ折山から登山道は無かったのですが、地図を見て行けるはずだと、尾根伝いに日向沢の峰まで藪を漕いで行き、川苔山まで行ったことがありました。

 その頃は、棒ノ折山は禿山で、その禿山に一本真っ直ぐに山頂まで道が続いている光景でした。

 今はその頃の苗木が何十メートルもの高さになっているのですから、年月は経ったと改めて思いました。


 青梅線川井の駅に7:17に着きました。西東京バスの川井駅発は7:20です。駅を出て、急いでバス停へ向かいました。1分ぐらいの待ち時間で、ちょうどバスが来ました。バスは百間茶屋手前の清東橋まで行きます。清東橋を出発したのは、7:32です。帰りのバスにと時刻表を写真を撮ったのですが、帰りはここには戻らず、八桑というバス停に降りました。


 百間茶屋の200m先に棒ノ折山への道があります。バス停からちょうど10分ぐらいです。しばらくはワサビ田の脇の道を行きます。ワサビ田はかなり上の方まであります。


 ワサビ田を過ぎると山の神がありました。山の神8:04です。山の安全を守ってくれていることを感謝し、先へ行きました。急な植林の斜面を登って行くようになります。


 支尾根に上がったら、道はそれをまっすぐに登って行きます。道は急なのですが、高度は稼げます。道がつづら折りになり、上の方が明るくなって来たらもうすぐ山頂です。


 山頂には8:53に到着しました。バス停から1時間21分です。山頂は、北と東に開けています。秩父の武甲山も見えます。奥武蔵の山々や飯能市方面は広くよく見えます。

 川苔山や奥多摩の山々は木々が邪魔をして見えません。

 以前、油絵を描いた場所は進入禁止になっていたので、山頂のベンチに座って奥武蔵の山々と飯能市方面を水彩で描きました。


 進入禁止のロープが張られているところは昔の道です。今の登山道はその脇の森林の中に付けられています。昔の道は植生の回復を待っているとのことでした。


 山頂を後にしたのは、10:06です。1時間以上山頂にいたことになります。山頂から東に下るとゴンジリ峠です。ゴンジリ峠10:16です。ここから名栗川方面に下る道と、高水三山方面に向かう道が分かれます。私は高水三山方面へ向かいました。道は、忠実に尾根の上を行きます。


 尾根を忠実に辿るということは、小さなアップダウンを繰り返すということです。平らな尾根筋もあるのですが、飽きるほどアプダウンを繰り返しました。黒山には10:33到着しました。10:50にやまびこ広場という場所に着きました。これから向かう岩茸石山とその続きにある高水山が見えます。まだまだアップダウンが続きます。


 11:07奥多摩方面がよく見える展望台のようなところに出ました。大岳山がよく見えます。11:48名坂峠に着きました。ここは上成木バス停方面と八桑バス停方面への分岐です。私は八桑バス停方面へ降りるつもりでした。しかし、ここからひと頑張りで岩茸石山ですから、山頂を目指しました。ここから100mとのことでした。しかし急坂の登りです。


 岩茸石山山頂到着は11:58です。棒ノ折山から2時間弱です。山頂は、南面が樹林で見えませんが、それ以外はよく開けていて眺めが良いです。川苔山方面も見えます。棒ノ折山よりも展望は良いかもしれません。私はここで棒ノ折山方面を水彩で描きました。


 陽が当たっている尾根筋は歩いて来た棒ノ折山から続く道です。ここから南へ惣岳山を経て御嶽駅まで下ることもできます。しかし、私は、名坂峠まで引き返し、八桑バス停に向かうことにしました。岩茸石山を出発したのは、13:16でした。水彩を描き、コーヒーを沸かしてパンを食べたりしたので、山頂に1時間以上いました。じっとしていると寒く、薄いダウンジャケットを持って来て正解でした。


 名坂峠からの道は、針葉樹林の林の中を降りて行きます。30分ほど下ると、林道の工事現場に出ました。そこからは林道を行くことになります。八桑のバス停に着いたのは、14:03です。岩茸石山の山頂から1時間かかっていません。ちょうど14:16にバスがありました。これで、川井駅まで行きました。川井駅では上りの電車まで30分も時間がありました。ホームで1枚水彩を描く時間がありました。

 今回の山歩きは、2つの目的がありました。1つは、9月初めに急に痛み出した左足の神経痛が少し良くなったので、山歩きを試して見たかったのです。もう1つは、水彩用に新しく買った平筆で絵を描きたかったのです。山から帰って来て今の所左足は痛みません。水彩は、今までの丸筆とは違うタッチで描けたことが収穫でした。