朗読を楽しむ

 私は「朗読」を本格的にやっているわけではありません。しかし、教員時代から興味はあって、自己流で朗読を練習したことはありました。

 2022年になって、コロナでなかなか会えない孫のために、読み聞かせ動画を作ったのがきっかけで、朗読をまた始めるようになりました。

 孫のために作ったのは絵本『きかんしゃやえもん』ですが、これはまだ著作権がありますから、ユーチューブで公開することはできません。

 そこで、私の好きな芥川龍之介の作品を朗読の映像化作品として作ることにしました。

それから趣味のフライトシミュレーターも朗読の映像化に活かせないか考えて、サン=テグジュペリの『夜間飛行』も映像化作品にしてみました。

横山厚夫さんの「笠取山」の紹介です。

国木田独歩の『武蔵野』の朗読 ver.2です。朗読の速度がやや速いです。

牧野富太郎の『ナンジャモンジャの木』です。

牧野富太郎の『植物知識』より「サクラソウ」

牧野富太郎の『植物知識』より「リンゴ」

牧野富太郎の『植物1日1題』より

宮澤賢治『どんぐりと山猫』

 今回の挿絵は、ハガキサイズよりも大きな版木を使った木版画にしました。一版多色刷りです。黒く塗った和紙に刷っています。三角刀で彫った部分が黒くなります。部分的にあとから筆で加筆もしています。

宮澤賢治『セロ弾きのゴーシュ』

 『セロ弾きのゴーシュ』は朗読で44分ほどかかっています。意外と長い話です。最初の場面では、楽長から、散々けなされたゴーシュですが、家で練習をしていると三毛猫、カッコウ、たぬき、野ネズミが次々とゴーシュを訪ねてきます。ゴーシュは腹を立てながらも彼らの求めに応じてセロを弾くのです。彼らとのやり取りの中で知らず知らずのうちにゴーシュはセロが上達し、演奏会では喝采を浴びるのです。訪問者とのやりとりが細かく描かれていて長い話になっていますが、この部分がこの話の面白さなのです。

宮澤賢治『オツベルと象』

 今回の絵は、木版画で作りました。ハガキサイズのシナベニア板を使い、一版多色刷で刷っています。版画用紙はあらかじめブラックジェッソで黒く塗ってあるので、線彫りした部分が黒い線になって表れます。一枚の版木を部分的に色分けしながら刷っていくのです。

 朗読は、毎回試行錯誤をしながらやっています。少しは上達したでしょうか。

英語版 "YUKI ONNA"

 朗読を三男のお嫁さんに頼みました。高校の英語の先生なので、さすがです。私にはとてもこのように英文を読むことはできません。

 字幕をiMovieで入れました。iMovieは無料のソフトなので、字幕の微調整はほとんどできません。そのため、日本語版に比べて、余計な間が開いてしまったりします。

 字幕ももう少し大きくしたいところです。

 できるだけ、字幕の調整を試み、繰り返し動画を観たので、「なるほど英語ではこのように語っているのか」と勉強になりました。『雪女』は元々は英文で作られた話なのです。

宮澤賢治 『月夜のでんしんばしら』

 今回の挿絵は、サムホールサイズの水彩紙にガッシュで描いています。これまではハガキサイズの用紙に描いていたので、それよりは時間がかかっています。朗読も、できるだけノイズを削るようにしました。

小泉八雲 『雪女』

 今回は、画仙紙という水墨画に使う紙に墨と水彩色鉛筆の併用で描いています。ワトソン紙よりは彩度が抑えられる感じになります。それが今回の「雪女」にはちょうど良いと思いました。

 水墨だけで描ければ良いのですが、私は、筆遣いがそれほどうまくないのです。

 原作は、英文のようなので、英語での朗読を依頼中です。

私は、「青空文庫」に掲載されている文章を朗読しています。

新美南吉 『手袋を買いに』

 新美南吉は『ごんぎつね』が有名ですが、私は、『手袋を買いに』が好きです。雪景色の情景が浮かんで来るのです。最初、私はこのキツネをキタキツネの姿で描き始めました。しかし、途中で「銀狐の親子」という言葉が出てくることに後から気づきました。何枚も描き直し差し替えて作り直しました。この挿絵は、絵本作家さんのような丁寧な描き方ではありません。スケッチ風の挿絵です。3日ほどで描いてしまいました。他にもまだまだ、やってみたい作品があるのです。

芥川龍之介 『白』

 子ども向けの短編ですが、32分程の長さがあります。子犬のナポ公とさよならする場面で休憩を入れるのも良いでしょう。

 昔風の道徳を思わせる内容ですが、芥川龍之介の生い立ちを考えると、満たされない愛を求める思いを犬に姿を変えて表現しているとも考えられます。

 文学的評価は低いかもしれませんが、単純に童話として味わってください。

国木田独歩『武蔵野』

 この朗読は、全文ではありません。私のお気に入りの一部分を朗読したものです。背景に用いた水彩画や油絵も私が描いたものです。ただし、描いた時は、武蔵野をテーマにしたわけではありません。また、使った作品の中には、武蔵野地域以外の場所で描いたものもあります。

芥川龍之介作品

 『トロッコ』は、昔、中学校1年の国語の教科書に載っていました。しかし、最後の部分の表現はなかなか中学1年生には難しいかもしれません。芥川龍之介はこの話を一晩で書き上げたそうです。

 主人公、良平の心情の変化が、周りの風景の描写などとも合わせて巧みに表現されており、さすが芥川龍之介と言える作品です。

 この話は、列車が横須賀の駅を出て最初のトンネルを抜けるまでの短い時間の話です。その短い時間の中に、主人公の大きな心情の変化が描かれています。

 純粋に子ども向けと言える話です。この映像化には、私はもちろん、私の家族や親戚にも了承を得て出演してもらっています。(かなり加工してあるので本人とは気がつかないでしょう)

 私はこのように水墨画風に挿絵を描くことはやったことがあります。高校の教科書に載っていたこともあるので、知っている人も多いのではないでしょうか。

 芥川龍之介の子ども向けの本としてよく知られた話です。私が初めてアニメーションを使ってみた作品です。

 フライトシミュレーターX-Planeを朗読の映像化に使えないかと考えて作った作品です。朗読だけでは、語彙が不明だろうと字幕を入れてみました。